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&WOOLの“ちょっと豊かに”なる情報を発信していくブログです。
2020/08/26 07:30
こんにちは。「& magazine:アンドマガジン」の発起人でファッションデザイナーをしている村松啓市と申します。このマガジンをご覧いただいて、ありがとうございます。
私は、静岡県島田市にアトリエを構えて、「muuc:ムーク」と「AND WOOL:アンドウール」という2つのブランドの運営をしています。2つのブランドに共通しているコンセプトが、「人の手から生まれるものづくりを大切にする」ということです。この「& magazine」を立ち上げて、ものづくりをする職人さんたちが自ら発信できる場を作ろうと考えた理由も、そのことにつながっています。
そして、私がブランドの運営と並行して取り組んでいることに、「雇用創出プロジェクト」というものがあります。様々な事情から外に働きに出ることが難しい人たちに、在宅ワークでできる仕事を提供する活動です。手を動かしてものづくりをする仕事を提供するとともに、私たちの製品製造の担い手となる職人を育てることも、この活動の重要な目的の1つになっています。
さらに「雇用創出プロジェクト」では、就労支援B型事業所さんに、適正価格での(極端に低賃金にならないような)お仕事を発注する取り組みも行なっています。
今回は特別企画として、現在私のブランドがお仕事をご一緒させていただいている事業所さんの1つ、就労支援B型事業所「ライク」代表の増田升美さんにお話を伺ってきましたので、ご紹介したいと思います。
●娘さんのひと言をきっかけに始まった活動
ライクさんは、就労支援事業所としてはとてもめずらしい、ニットを専門に取り扱う「ニット工房」をもっています。
僕たちのブランドの人気商品となっている「手編み機」を使って編んだストールや、高い技術が必要な「手編み機」でケーブル模様を編み上げるアームウォーマーなどは、ライクさんのご協力のもと、製造している製品です。
その仕上がりは大変高品質で、他のブランドに決して負けない製品として、僕もお客様に自信をもって提供できるものになっています。
どうしてニット専門の部門が事業所の中に誕生することになったのか、まずはそこからお話を伺いました。
【増田さん】
就労支援事業所「ライク」は今、「ニット工房ライク」と「カレー工房ライク」の2つのグループに分かれていますが、実はニット工房が先にできました。
私が家で機械編み(「手編み機」を使ってニットを編むこと)をやっていると、私のダウン症の娘がそれを見て「やってみたい」と言ったんです。それでやらせてみたら、結構よくできたんです。
それで、そのことを同じ障害をもつ子供の親の集まりで話したら、「教えてほしい」と言われて。それで機械編みの講習会を開いたら、みんなが「またやりたい!」と。
協力してくれる仲間の力を借りて、講習会を月に1回やるようになりました。するとそれが月2回になり、3回になり。そのうち「定期的に通える場所があるといいよね」という話になって、6坪の小さなスペースを借りました。
それが、この事業所が始まった最初のきっかけなんです。
少しずつ通ってくれる人が増えていって、今のような事業所になったそうです。いつも、明るい笑顔で僕たちを迎えてくれる増田さんですが、きっとここまでくるには、大変なご苦労があったんだろうなと、想像しています。
●自分たちの「手」を求めてくれる人を探して
僕が増田さんと出会ったのは、今から3年ほど前のことです。静岡県島田市の山間に「AND WOOL」のアトリエを作って間もない頃のことでした。
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